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« RS125・・・ウォーターポンプ用オイルシール | トップページ | 朝駆け・・・雲海?に海に登山? »

2015年10月20日 (火)

ウォーターポンプからのクーラント漏れ・・・オイルシールとシャフト

天気の良い秋空が続きますが・・・
RSのクーラント液も漏れてるしsweat02、子供の文化祭と催し物もあり忙しく・・・sweat01
朝駆けdash出来ないので、前回に続き、RS125のクーラント漏れについて思う所でも書き連ねてみます・・・


専門の技術者でもないのに、思う所を書き連ねてみるので間違った見識、見解もあると思いますがご容赦を・・・


RS125、の”ウォーターポンプ”は前回お話しした様に・・・
111
右側・・・クーラント液を循環させるインぺラ・・・

真ん中のケーシングを介して・・・

左側・・・、クランクシャフトから伝達される動力を一旦アイドルギヤへ、そのアイドルギヤに接続されウォータポンプを廻すピニオンギヤです。

ケーシングの内部は、オイルシールが2個入っておりこのオイルシールでポンプシャフトを保持しています。

そのオイルシール・・・
B93
オイルシールのメーカーは、イタリアの”FP社”?の”ロータリーシャフトシール”と言う製品の様です。

メーカーのサイトはこちら↓↓↓
http://fpparis.com/en/products/oil-seals
細かい仕様はこちら↓↓↓
http://fpparis.com/pdf/compound-and-application-data-sheet-rotary-shaft-seal.pdf

クーラントが漏れたと言う事で考えられる原因は・・・
◆オイルシールの劣化?損傷?による漏れ
◆ポンプシャフトの摩耗によりオイルシール内径との間に隙間が生じ漏れて来た?
◆封入しているグリスが限界?に達してオイルシールのシール性を損ね出した・・・?
◆ケーシング内の壁面の損傷?
等々考えられますが、先にその中のオイルシールと言うものに付いて考えてみます。



以下、一般的なオイルシールの考え方・・・

オイルシールとは・・・油、グリス等の密封される潤滑剤を装置外部に漏れないようにすると共に、外部からのダスト・異物の侵入を防ぐ働きをするシール!
・・・と、あります。


その構造は・・・down
Oilsealkozo1_2
(画像は”パッキンランド”さんからお借りしています)

各部の役割と特徴は・・・
●シールリップ部は、オイルシールを構成する上で最も重要な部分で、リップ部先端が軸の円周と確実に接し密封機能を発揮しています。
機械の振動や軸の振れ、オイルなどの密封対象物の温度や圧力変化、さまざまに変化するストレスに対してリップ先端部が安定して軸に接していられるようシールリップを構成・設計しているそうです。

●リップ先端部は、軸と接触する部分で断面はくさび形状に構成され、軸表面に押し付け線接触を保ちつつ、高周速に耐えながら密封性を確保しています。

●ダストリップ部は、補助リップとも呼ばれ外部からのダストや異物が混入するのを防ぐ役目がありますが、外部の雰囲気にダスト等の異物が無いクリーンな状況下では取り付けられない場合も多々あるそうです。
●”ばね”は、リップ先端部を補強し軸とリップの先端の接触の安定化し密封性を高めます。また熱などにより主リップが変形する事を防いでいます。

●金属環は、オイルシールに剛性を与えハウジング内にしっかりと固定させると共に、取り付けを容易にします。

●はめあい部(外周部)は、ハウジングにしっかる固定させると共に、機密対象物が漏れる事を防ぎ異物やダストが混入する事を防いでます。用途に応じて金属やゴムと材質を変えています。

と、各部重要な役割を担っています。

そして、最も重要なリップ部には更にポンピング機能と言う重要な働きがあります。
このポンピングとは、リップ部が密封対象物である潤滑油を大気側に出さない様に、リップ形状や回転時の軸との接触状態によってポンプ力(押し戻す作用)を発生さえ、より密封性を確保させるそうです。
2
青⇒がポンプ力によって押し戻される力
//部がポンプ力に方向性を持たせるためのリブ(溝)

こんな尖った、ただの”ゴム”の先には、こんな隠された秘密があっただなんてほんとに驚きです・・・
因みに、このポンプ力・・・回転数が高くなるほど大きくなるそうです。
更にはタイプによっては、タイヤのトレッド部の様に小さなリブ?サイプ?の様な溝を入れポンプ力をより高めたタイプや、筋の方向によってポンプ力の方向を変えたりと色々なタイプが存在するそうです。


そして、以上いろいろと書きましたが”RS”のオイルシールの場合は実に単純?ごく普通のタイプ・・・?
Featuresg1
シールリップ(主リップ)はダストリップが無いシングルリップ。
Oi4
RSのウォータポンプの場合は・・・密封対象物がクーラント液だと思われ、大気側に当たるケーシング内ではグリス(モリコート111)、ケーシングの外ではギヤオイルとなります。

ダストリップ(補助リップ)が無いのは、以上の様に大気中とは違いダストが無いと言える比較的クリーンな環境?であり、ダストリップが追加されることで軸に対して接触面が増え負荷が掛かり、トルクをロスする事が少しでもない様にと言う考えもしれません。
但し、SKFのラジアルシャフトシールは、ダストリップが非接触タイプでトルクのロスが無いそうですし、オイルがスラッジ等で汚れて来る事も考えられるのでダストリップがあった方が良いとも考えられます。

リップ部を補強する、”ばね”(スプリング)があり、金続環は鋼板製でゴムの内部にあるタイプ・・・down
Oi1
磁石を近づけるとくっ付きます・・・バネもごく普通のバネ鋼タイプだと思われます。

因みに、RSのオイルシールの組込み方は・・・
ケーシングが無い状態で組んでみるとdownOi5
右手前から・・・
クーラント側インペラ~オイルシール1~(モリコート111)~オイルシール2~ギヤオイル側ピニオン
オイルシールの方向は、インペラ側が密封対象側で理屈ではポンピング機能がこちら(インペラ)に向かって働く事になりクーラント液がポンプ力によりこちらに押し戻される構造と言う事になります。
多分これであってると思いますが、私は実際の物を見た事がないので違っていればご教授下さい。何せオイルシールの方向が違うようだと考えが180度変わる事になります・・・coldsweats01
詳しくご存知の方はぜひ教えて下さい・・・宜しくお願い致します。m(_ _)m

下はギヤオイル側のピニオンギヤ側から見た様子・・・down
Oi6

画像はイタリアのサイトからお借りしています・・・downPompa_acqua_manutenzione23

ケーシング下部に見える穴が2つ・・・Pompa_acqua_manutenzione22
ハウジング真ん中、左の方の穴はインペラ側オイルシールから侵入したクーラント液がここから出て来てエンジン外部へ放出されます。
右上はギヤオイルがここから入って軸に潤滑する為の穴だと思います。

1fd28679d27a2fe68cbd629bae00603c

RS125のオイルシールの組み換えの様子↓↓↓
http://www.rs125.it/public/wiki/index.php?title=Pompa_acqua:_manutenzione


そして・・・気になるオイルシールの寿命・・・
そもそもオイルシールの寿命とは・・・ゴム材料の摩耗、オイルやグリースの使用による化学的劣化、硬化によってリップ部の機密効果が損なわれる事・・・ださそうです。
オイルシールの素材によってはエンジンオイル、ギヤオイルに相性があるといわれますし、オイルによってはオイルシールや樹脂製ギヤを早く傷めるものあるかもしれませんからそれなりに注意と言う事でしょうか・・・?

実は、オイルシールの寿命は机上ではある程度算出する事が出来る様です。
リップ部の温度・・・精度よくリップ部の温度を推定する事が重要だそうですが、色々な因子が絡みこれがなかなか容易ではない・・・
ただ、”オイルシールの寿命推定線図”と言うのがあって、ギヤオイルや各グレードのエンジンオイル等でグラフ化されています。
その大事なリップ部の温度は、そのオイルの使用温度と、その時の周速でリップ部の上昇温度を求め、オイルの温度にリップ部の上昇温度を加算してリップ部全体の温度を求めますが、ここで計算式を上げるのも面倒なので省略します・・・^^;
数字だけを見るなら、”オイルシールの寿命推定線図”からは・・・ギヤオイルは、オイルの中でも寿命は短い方でリップ部の温度が100℃で200時間、80℃なら1200時間です。
時速何キロで走ったらその温度になるか判りませんが、200時間って時速60キロで走り続けたら12,000キロ・・・
1200時間なら、72,000キロになります・・・

ただ、残念な事にクーラント液についての詳しい寿命推定線図は見当たりませんでした。
クーラント液はエンジンオイルとはまた違った圧力下、温度下であると思われるし、実際の2サイクルエンジンのクーラント液の温度や圧力が判らないので今のところ判断のしようもありません・・・sweat01

他にもオイルシールの許容圧力の求め方だったり、トルクの継時変化の求め方だったり・・・いろいろな計算式がありましたが興味のある方はこちらを・・・
http://eb-cat.ds-navi.co.jp/jpn/jtekt/tech/eb/catalog/img/pdf/catr2001.pdf

因みに・・・寿命を推定するに当たってはリップ部温度が必要と置いう事ですが、その推定方法は・・・
まずは軸の周速を計算します。
周速とはある一定の時間に走った距離(移動した距離)の事で、RSのウォーターポンプの軸径は10mm、軸の回転数はクランクシャフトの回転数から幾らか減速されている気がしますがここではクランクシャフトの回転数で、10,000回転、8,000回転/分で周速を計算すると・・・
周速は・・・
[10,000rpm×10㎜(D)×3.14(π)]/[1000(m)×60(sec)]≒5.2m/sec
8,000回転/分で周速を計算すると・・・4.2m/sec
となります。
周速が判れば、リップの温度上昇推定図というのがありそれを見ると・・・・各オイルの温度ごとに周速ごとのリップ上昇温度が判りそれらから、”オイルシールの寿命推定線図”を見れます。

と、ここまで書いてきましたが何の事やら判らなくなって来てませんか~
書いてる方も面倒くさくなって来ます・・・coldsweats01


後は、オイルシールの取り扱い・・・
ハウジングに装着(圧入)する時は、必要ならば圧入治具を使用する。
シール自体に汚れ、異物等が付着していないかチェックし、セットする時はリップ部には初期グリスをしっかり塗り込む。
ダストリップがある場合は主リップとダストリップの間もしっかりグリスを注入する。
外気温が低い時にはオイルシールを暖め柔軟性を取り戻してセットする。
グリスは、オイルシールの各素材(NBRゴム、シリコンゴム、フッ素ゴム)にあった適切なグリスを使用する。

リチウム系グリスは全般的に可、
シリコンゴム材にシリコングリス、フッ素ゴム材にウレアグリスはゴムを硬化させ変質させるので不可、
NBRゴムにシリコングリスは可、エステル系グリスは不可

使用温度領域
NBR・・・標準タイプ -30~100℃
      耐熱タイプ -20~120℃
フッ素ゴム・・・-20~180
シリコンゴム・・・-50~170℃

使用するシャフトの面粗度・・・
   Rmax 0.8~2.5μm(最大高さ)
   Ra 0.2~0.63a(中心線M平均高さ)
硬度・・・一般的にはHRC30以上、リップがフッ素樹脂の場合はHRC50以上
軸径の公差・・・h8 10㎜の軸では0.00~-0.022㎜(9.98~10.00㎜)
軸の面取り・・・C1.5以上

オイルシールの漏れに対してはシャフトの目減りもかなり影響します。以上のシャフトの面粗度からして最大で2.5ミクロン(0.0025㎜)と言う事は指で触って薄っすらと段差が確認された時点で交換は必須と言う事になりそうです。
前回、私はシャフトをカート品の物を使用しよとして長さが足りず、交換する事が出来ませんでした。
その際、薄っすらと段差があった様なので今回のクーラント液漏れもオイルシールだけの問題では無く、シャフトの目減りが原因かもしれません。
オイルシールを交換する時にはシャフトの交換も必ず行った方が確実な気がします。


”RS125”に使用されている、FP製Gタイプのオイルシールと同サイズの国内品・・・
SKF ラジアルシャフトシール HMS5 10×26×7㎜
Oi2
前回の記事でも紹介しましたが実物が手に入ったのでご紹介します。
ダストリップ(補助リップ)が付いていないタイプになります。
ダストリップが付いているタイプは、”HMSA10”になりますがこの度は残念な事に在庫切れでした。^^;

左が純正”FP”品、 右が”SKF”品
Oi1
オイルシール内部のリップ部が白く見えるのはポンプピング機能(ポンプ力)を上げる為の加工か?

密封対象側から見ると・・・
Oi3
スプリングが見えます・・・

ハウジングと接する側面から見ると・・・
Oi4
ラジアルシャフトシールには、ハウジングへの保持力を上げる為の外周のビード加工の溝がハッキリ見て取れます。


http://premium.ipros.jp/skf/catalog/detail/304760/

今現在、純正品の代替えの最有力候補です。
但し、保証はなにもありません・・・coldsweats01


もうすぐカートで使用の”FP”品が手に入るので記事を更新予定です・・・

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コメント

オイルシールはやはり国産がいいですね。
カートのマニュアルによるとウォーターポンプのシール 検査/OHが50時間毎でポンプ吐出量が22L/min 11000rpmとなってました。
水温は昔、2stレーサーは70℃がBestなんて言われてましたが…⁈
因みにNSRとTZRはサーモスタットが63~67℃で開き始め80℃で全開となってました。

そう言えば車やバイクって冷却水圧計ってないですね。ボートはあるんですょ〜
タコメーター並に重要な計器になりまして…水面から吸い上げた水が冷却水となるので異物混入が分かったり全開時に8psi切るとインペラ交換時期等の目安になります。
(余談でごめんなさい(^^;;

☆azuyuzuさん、主にどの部分の問題で漏れて来るのか把握しないと組み付けても不安ですよね~^^;
SKF品が良ければいいのですが、こればかりは何度かテストして多くのデーターを取らないと判らない気がします。
私の場合は、どうもシャフトも怪しいのではないかと思ってます。
何にせよウォーターポンプをバラしてみてからですね~^^;

カートのマニュアルにそんな時間が書いてあるんですか、また見てみます。^^
2ストバイクのクーラントの温度が80℃以下ならオイルシールにとってはかなり良い事になりますね!
100℃と80℃では耐久時間が極端に変わって来ます。
それに、そんなに高い圧力でないのであれば更に寿命は長そうです。
ボートに圧力計があるのは知る由もなかったです。^^;
それに水面から吸い上げた水が冷却水になるなんて・・・・クーラント液ってないんですね・・・^^

丁寧な考察とまとめ、大変参考になります。
ゾフィさんは機械関係のお仕事をなさっているようですので得意な方面であるかと感じる次第です。

材質による耐性の表を見つけましたので 対LLC(クーラント) の素材に着目して下さい。

  ↓東京材料株式会社(ゴム 用途別素材一覧(自動車部品用))
  http://www.tokyozairyo.co.jp/products/rubber/list01.html

NBRはクーラント耐性は良好なようです。
ラジエーターホースのみ EPDM になっているのはエンジン外側に付くものなので対候性(とくに紫外線)がないとだめだからという理由からなんでしょうねきっと。

そうすると、”RS125では、部品の構造が適していない” ということが考えられますでしょうか…?

FKM(フッ素ゴム)はエンジン本体のかなり高熱がかかる(LLC以上に)部分に関連するシールが多いようですね。

☆猫Rさん、機械方面って言っても、それほど深く考えて仕事してませんけどね~^^;
クーラント等の耐性表、とても参考になりました!、皆さんにお聞きするもんですね^^
これを見るとNBRでも大丈夫の様ですね^^
EPDMって言う素材も初めて聞きました。
工業製品て奥が深く、適材適所で使い分けてるんですね~
フッ素ゴムはある意味万能?な素材の様ですが、耐摩耗と柔軟性はNBRなのかな?
色々試さないと判らないのでしょうが、その前にこちらが疲れるかもですね・・・
出来れば、15000キロ~20000キロはもって欲しいです。^^;

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